2026年7月6日、スナックやバーのクレジット決済でおなじみだった株式会社全東信が大阪地裁に自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けました。
負債総額は約1259億円と、今年最大規模の倒産です。
私は不動産営業として店舗の仲介をしていた時に、スナックやバーを開業されるお客様の決済導入を何度もお手伝いしてきましたが、ナイト系の店舗にとって全東信は「審査が通りやすく、入金が早い」定番の選択肢でした。
それだけに、今回の破産で
「うちの店、来週からカード決済どうしたらいいの…」
「先月分の売上、まだ振り込まれてないんだけど…」
と困っているママさん・マスターは相当多いはずです。
この記事では、全東信を利用していた店舗が今すぐ確認すべきことと、乗り換え先としておすすめの決済サービス3社をまとめました。
目次
全東信の破産について(何が起きたのか)
株式会社全東信(大阪市中央区)は、飲食店を中心とした加盟店のクレジットカード売上を、カード会社より先に立て替えて入金する「早期決済代行」を展開していた会社です。週2回・月6回の早期入金サービスが強みで、加盟店は一時20万店以上に及んでいました。
しかしコロナ禍での飲食店の時短・休業で業績が悪化。さらに2024年1月には、審査が通らない飲食店の加盟店契約を他人名義で結んでいたとして社員が逮捕され、法人としても書類送検される事件が発生。信用不安から資金調達に行き詰まり、2026年7月6日に自己破産となりました。
加盟店向けの問い合わせ先は「(株)全東信 破産管財人室」(電話 06-4704-4681、受付10:00〜17:00)です。
全東信を使っていた店舗が今すぐ確認すべきこと
「まだ振り込まれていない売上、どうなるの?」
一番心配なのはここだと思います。結論から言うと、未入金の売上金の扱いは破産手続きの中で決まっていくため、まずは上記の破産管財人室に連絡して、自店の債権の状況と今後の手続き(債権届出など)を確認してください。
あわせて確認しておきたいのは次の3点です。
- 決済がいつ止まるのか(すでに止まっているか):お客様のカードが切れない状態で営業を続けるのは機会損失に直結します
- カード端末の扱い:全東信からレンタル・貸与を受けていた端末は返却が必要になる可能性があります。勝手に処分しないようにしましょう
- 新しい決済サービスの申し込み:審査〜利用開始まで数日かかるので、管財人室への確認と並行して進めるのがおすすめです
未入金の売上は戻ってくる?使える救済措置は?
「立て替えてもらうはずだった売上、泣き寝入りするしかないの?」
残念ながら、未入金の売上金は破産手続きの中で「破産債権」として扱われるのが原則です。破産管財人室からの案内に従って債権の届出を行うことになりますが、全額が戻ってくる可能性は高くありません。だからこそ、被害額を確定させる作業が最初の一歩になります。
日本飲食団体連合会(食団連)も緊急声明を出しており、加盟店に対して①全東信の端末使用を直ちに停止する、②未入金の売上金を集計する、③代替の決済サービスを早急に導入する、の3点を呼びかけています。「最後に入金があった日」と「それ以降のカード決済額」を今日中に記録しておきましょう。
資金繰りの面では、次の制度が使える可能性があります。
- セーフティネット保証(1号:連鎖倒産防止):大型倒産の際、その取引先だった中小企業が信用保証協会の別枠保証で融資を受けやすくなる制度です。全東信の破産が対象案件に指定されるかは今後の発表次第なので、最寄りの市区町村の窓口や商工会議所に確認してください
- 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済):加入済みの店舗なら、取引先の倒産時に掛金に応じた共済金の借入れができます
- 日本政策金融公庫・自治体の緊急融資:入金が止まったことで家賃や仕入れの支払いに窮する場合は、早めに相談を
一方で、決済事業者側から「全東信の加盟店向けの特別な救済プラン」のような公式発表は、この記事の執筆時点では確認できていません。「全東信からの乗り換えを無料でサポートします」とうたう業者からの営業電話も増えると予想されますが、乗り換え自体は各社の公式サイトから自分で無料で申し込めるので、慌てて言われるがまま契約しないよう注意してください。
乗り換え先を選ぶ3つのポイント
全東信からの乗り換えで見るべきポイントは次の3つです。
① 審査に通るか
スナックやバー、特に接待を伴う風営法許可店は、決済サービスによって審査基準が異なります。申し込み前に、自店の業態(深夜酒類提供か、風営法1号許可か)で利用できるか各社に確認しておくと、審査落ちで時間を無駄にせずに済みます。
② 入金サイクル
全東信の魅力は「週2回・月6回」の早期入金でした。同じスピード感を求めるなら、入金サイクルは必ず比較しましょう。銀行によってサイクルが変わるサービスもあるので、メインバンクとの相性も要チェックです。
③ 導入までの日数
決済が止まっている期間はそのまま売上の機会損失です。最短当日〜数日で使えるサービスを優先しましょう。
STORES(ストアーズ)決済

サポートが手厚く、新規開業の方にも根強い人気なのがSTORES決済です。
固定費はかからず、導入費用も条件を満たせば無料。決済手数料はクレジットカード・QRコード決済で3.24%、電子マネーは1.98%と低水準です。
入金は、自動入金なら月末締め翌月20日(手数料無料)、手動入金なら最短翌々日。売上10万円以上なら振込手数料も無料です(10万円未満は200円)。
申し込みは約5分、審査は最短3日程度〜なので、決済が止まって急いでいる店舗にも向いています。
Square(スクエア)

Squareは、Squareリーダーとスマホをつなぐだけで決済できる手軽さが魅力のサービスです。
入金サイクルは、三井住友銀行・みずほ銀行なら翌営業日。その他の国内金融機関は週1回(金曜日)です。振込手数料はSquare負担で無料。
全東信の「早期入金」に一番近いスピード感を求めるなら、対象銀行の口座を用意してSquareを使うのが現実的な選択肢になります。
審査スピードも速く、最短即日で利用可能です。
AirPay(エアペイ)

リクルートが運営するAirPayは、クレジットカード・QRコード・電子マネーなど対応決済手段の多さが最大の特徴です。
同じリクルートのAirレジと連携すれば、売上管理や会計処理もまとめて効率化できます。手書き伝票が多いスナック・バーこそ、この機会にレジ周りごと見直す価値があります。
デメリットは、導入まで約10日程度かかることと、他社より審査が厳しめな点。決済が完全に止まっていて一刻を争う場合は、先にSTORESかSquareを申し込み、落ち着いてからAirPayを検討する順番がおすすめです。
まとめ(3社比較表あり)
| STORES決済 | Square | AirPay | |
|---|---|---|---|
| 導入日数目安 | 最短3営業日〜 | 最短当日〜 | 10日前後 |
| 導入費用 | 0円(条件あり) | リーダー購入費 | 0円(条件あり) |
| 月額費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 決済手数料 | 1.98%〜3.24% | 3.25%〜3.75% | 2.95%〜3.24% |
| 入金サイクル | 手動:最短翌々日/自動:月1回 | 対象銀行:翌営業日/その他:週1回 | 対象銀行:月6回/その他:月3回 |
| 振込手数料 | 10万円以上無料 | 無料 | 無料 |
| 対応端末 | iOS/Android | iOS/Android | iOS |
全東信の破産で決済が止まってしまった店舗は、まず破産管財人室(06-4704-4681)で未入金売上の扱いを確認しつつ、並行して乗り換え先の申し込みを進めてください。
スピード重視なら審査の早いSTORES決済かSquare、入金の早さならSquare×対象銀行口座、レジ周りごと整えたいならAirPayがおすすめです。